2015年3月21日土曜日

1月6日(火)講評会

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お正月が終わり、あっという間に講評会はやってきました。
講評会の会場は、デザイン棟1階ギャラリーです。
まず学生たちは、作品をデザイン室や自分の家から運び出し、お昼頃に提出します。



今回の模型は大変大きく、運ぶだけで一苦労です。

それぞれ、焦りや不安が入り交じった気持ちが落ち着かないままに、講評会は始まりました。



講評会には、担当の鈴野先生、米谷先生と、ゲストとして中村至男さん(展覧会グラフィック)、岡本 健(会場グラフィック)、寺山紀彦さん(studio note/展示構成)、五十嵐瑠衣さん(会場構成協力)前村達也さん(21_21 DESIGN SIGHT/企画進行)にお越しいただきました。
ただでさえ、緊張する講評会ですが、こんなに沢山の方々に見ていただくとなると、マイクを持つ手も震えてきます。




プレゼンテーションは、主に模型とパワーポイントを使って行います。
目の前の模型とその模型中の空間に入ったとき見えるであろうイメージを模型写真やCGで表現し、見ている人に魅力を伝えます。




模型はかなり詳細まで作られているため、覗き込むようにしてみると、まるで展示空間に入り込んでいけるようです。

こちらのグループは展示品のひとつひとつまで模型で再現しています。




対して、こちらのグループは、得意なCGで空間を表現しています。CGは模型とはまた違い、本当に21_21 DESIGN SIGHTで写真を撮ったのではと思う程です。



また、模型だけではなく、実寸大の什器を作ったグループもありました。






このように実際に目の前に本当の大きさのものがあると表現したい空間をよりいっそう力強く伝えられます。

また、展示の際に配布する会場案内図のサンプルを作って配ったグループもありました。



この会場案内図には、見る人を楽しませる仕組みがあり…



表に会場案内図、裏に展示コンテンツのひとつの「施設単位変換」を白抜きで印刷した紙を光にかざすことで、2つを同時に見比べながら展示を回れます。
色々な人が案内図を光に透かしている様子は、見ていてほっこりしました。

そして、学生とゲストのみなさまのディスカッションは、とても深いものとなり…













気がつくと、講評会が始まって5時間が経過していました。
今日まで模型とパソコンにへばりついて制作してきた学生達もヘトヘトですが、ゲストのみなさまには長時間お付き合いいただき、かなり体力を消耗された事と思います。たくさんのご意見、誠にありがとうございました。

こうして、およそ2ヶ月続いた本課題が終了となりました。
3年生達は、自分のデザインに手応えを感じたり、なかなか上手くいかず悔しい思いをしたりと、思いは様々なようですが、3年生最後のこの時期にリアルな課題に取り組めて、確実に成長したのではないでしょうか。

最後に、先生方とゲストのみなさまから、総評をいただきました。

みなさまの総評を、こちらでもご紹介させていただきます。





【担当教員とゲストの皆様の総評】

単位展というリアルなプロジェクトを考え始めるところから提案する時期とまさに同じタイミングでした。
同時期に一緒に並走しながらできたのは私としても新鮮でした。
単位展の展示の内容もゼロからこのために作るものばかりですので、ぎりぎりまで変わって行きますので、まだ見ぬできてない展示や企画を想像しながらの会場デザイン苦労したと思います。これから単位展だけでなく他の展覧会に行っても今まででみていたところとは違うところをみていると思います。
課題としては終わりましたが、その後様々な展覧会をみるたびにいろいろな視点でみて考え続けてもらえたらと思います。
担当 鈴野 浩一(トラフ建築設計事務所/「単位展」会場構成監修)


課題ご担当の鈴野さんをはじめとして、関係していただいたすべての方々に感謝いたします。現在進行形の案件をあそこまでオープンに解説いただき、贅沢な中間講評があり、そして最終講評にもご参加いただき、結果的にはお互い新鮮に感じられるような期間だったことを幸せに思います。学生にとっては、学内に不足しがちな現場の養分を吸収することができたことが何よりも良かったと思います。それと実際の現場では複数名が協働するものなので、今後さらに理解を深めていってもらえれば良いかなと思います。
担当教員 米谷 ひろし(トネリコ)


このたびは、本当にお疲れ様でした。
現実の案件を課題に出来るのはおもしろいですね。
自分もこういう課題を学生時代にしたかったと、みなさんをうらやましく思いました。
全体がいいチーム、部分がいいチーム、仕上げがいいチーム、考えがいいチームなど、様々な詰めや連携を見せていただき、とても興味深かったです。
また、寸評をさせていただいたことで、ともすれば職業的な慣れや方法論で思考を止めてしまう、社会人的な自分を見つけて反省もしました。
みなさんのがんばりを見て自分もがんばろうと思いました。
ありがとうございました。
ぜひ会場にも遊びに来てくださいね。
中村至男(「単位展」展覧会グラフィック)

単位という文脈からの様々なアイデアを拝見し、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。皆さんの自由で柔軟な発想や、プレゼンテーションとしての定着を目の当たりにし、身の引き締まる思いでした。今回の取り組みを通して、実際の展覧会も楽しんでいただければ幸いです。
岡本 健(「単位展」会場グラフィック)


色々な角度からのプレゼンを楽しくみさせて頂きました。中間発表では似たような見栄えの物があったのですが、最終的には個々の班の個性が出て面白かったです。
この課題は最終的に実際の展示会を見ることが出来ることが重要な部分だと思います。展示会場にて「ここはこうなったのか」「なんでこうしたのかな?」「あの案は何でなくなったのか、、」「文字のサイズはこの大きさか!」など考えながら展示をみるとより勉強になると思いますので、会場に来て楽しみながら検証してみてください。
寺山紀彦(studio note/「単位展」展示構成)